第1話:忘れ得ぬ言葉

'97年10月03日記す
 まず....とりあえずこれ、以前にも「現代社会の矛盾」に似たようなことを 書いた気もしますが、あしからず。

 僕には、生まれてこのかた自分が発した言葉の中で、忘れられない、そして 恐らく一生忘れられない言葉がある。それは、

 やっぱり自分で最初から何でも作れるわけでしょう、そう、

自分だけの世界が作れるんですよ。

という言葉である。この言葉、僕の高校時代からの内輪の間ではもう有名なのだが、 以前僕が部の関係でテレビに出ることになったときに、(確か)「自分にとってゲーム作りとは 何か?」と質問されたときの答えだと思う。

もちろん、「自分だけの世界が作れる」なんていうのは、RPGツクールのシリーズも 宣伝文句にしていたし、その言葉自体は危なくないといえる。
しかし、この言葉のやばいところは 人によっていろいろな解釈をしてしまい得る ところにあると思う。
特に、あの番組は、「自分たちはパソコンはぜんぜんできないから、パソコンをやっている人 が何をやっているかわからないけど、とにかくすごい」って感じであった。 そのようなところでこのような言葉が出てきてしまうと、なんか パソコンという魔術を使って創造主的な、自分のわがままのきく 世界を作り上げているといったイメージが出てしまっていたような気がする。 まぁ、今はインターネットも普及しているし、「パソコンがなんだかよくわからない」 とか「パソコンを趣味でやっている人は自分には理解できない存在だ」なんていうイメージは 払拭されているとは思うからね。

 ....とまぁ、ちと妄想入るくらい考えすぎて しまった。あまり深く考えないようにするが、やはりこのように 「忘れ得ぬ言葉」 というのを持っていると、楽しいかもしれないと思う。そういう言葉って、どのように 他人の心を動かしたのか、暇なときに何度も考えてしまう。 もし、「こんな悪い感情を相手に与えてしまったのでは?」という結論に達しても、 これから気をつければいい、って気持ちがあれば大丈夫だしね。

 このほかにも、パソコン通信のBBSなんかで、一年前とかに自分がアップした書き込みの ログとかを見ていると、同様にいろいろなことを考える。そして、いろいろ考えて、 「ひょっとしてこの人がこういったのは こういう意味だと誤解していたけど、実はこういう意味だったのかも?」 とか思ってしまったりもしたし、 「ひょっとしたらこの言葉、失礼にあたったかも」 とも思ったりもした。 ある意味、人間というのはこうやって誤解とかいろいろしながら成長していくんだろうなぁ、 とかいろいろ考えていた。ほんと、パソ通って言葉だけの世界だけど、 こうやって一言一言が誰かにとっての忘れ得ぬ言葉になるのかもしれないなぁ、 ってね。


勢いに乗って次の話も読んでしまう

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