メタルマックス2

ジャンル:RPG
メーカー:データイースト
定価:不明
発売日:1993年
備考:NP(ニンテンドーパワー)のラインナップに加えられている


データイーストのメタルマックス2のホームページ

●広報の勝利?

僕がこのゲームを購入した動機は、ファミ通などの雑誌に毎週広告が載っていたからである。 広告に4コママンガが毎週付いていてそれが何となく良い感じだった....というわけなのだが、 本来の僕だったら、「戦車ぁ〜?僕はメカにはあんまり興味がないからパス」と言う風になって しかるべきなのだが、雑誌の「このゲームの魅力」が随所にちりばめられた広告を見て、 「別に戦車が好きというわけではないけど、RPGは大好きだし購入してみるか」と言う風に なって購入したのである。
 ....思うに、当時僕みたいな動機でこのゲームを導入した人は多いと思う....逆にそうで なければこのゲームは僕が知っているほど評判にはならなかったと思っている。

●システム

さて、このゲームの魅力は、何といってもシステムにある。自分の戦車を手に入れて、戦車を 強化して敵と戦う。でも、戦車で入っていくことが出来ない場所とかもあって、そこでは白兵戦 になる。

このゲームの「成長の楽しみ」というのは、他のゲームに見られるように「強い武器を手に入れる」 とか、「強力な魔法を手に入れる」などの、「戦闘が有利になる」ことにとどまらない。
むしろ、戦闘には関係の無いところにお金をつぎ込んだり、その他いろいろとやることによって、 プレイヤー自身が優越感を得る、という意味合いのものが強い。

たとえば、酒場に行くと、「おだいじん」というコマンドが選べる。これは、その店でもっとも 高い酒を、その場にいる人みんなにおごることができる。これをやると、みんなから「ひゅーひ ゅー」とか「いよっ、おだいじん!」とか言われるようになる....のだが、別にそれで重要な 情報がえられるとかそういうゲーム的なメリットは全く無い。でも、プレイヤーとしてちやほや されて嫌な気がするわけがなく、お金が余ったときなど、酒場にいくたびに何度でもやってしまう のである。

また、「インテリアショップ」なんていうのもある。ここで家具を購入すると、主人公の家に その家具が増える。最初は何もなかった部屋に、だんだんたくさんの家具が置かれていくのは わりと見ていて嬉しい....のだが、勿論これも、戦闘には何の役にも立たないというのが凄い。 (でも、買ってしまう。)

ここらへんの話をしていくと、本当にきりがないのでやめるが(マリリンのパトロンになれたり、 金食い虫を飼ってみたり....)とにかくそういうゲームなのである。

また、戦車を改造していき、戦っていくわけだが、実は適当に改造していても割とクリアできて しまう(エンジンと主砲だけ改造すればどうにかなるみたいである....もちろん、すぐどっかが 破損してしまいそうなので修理キットは手放せないが)。
しかし、お金をつぎ込んで改造した戦車が強くなっていくのは、見ていて本当に快感である。 ここらへん、どんどん自分のパソコンをチューンナップしていき、

ベンチマークテストをやって 悦に入っているパソコンユーザーの快感に通じるものがある

と思っている(俺も含む....かもしれない)。  ....そうなのだ。「パーツを買い替え、改造して強くしていく」という、まさに自作パソコンの 世界そのものだったりするのだ。そういえば昔、水玉蛍之承さんが、「こんなもんいかがっすかぁ」 で、「敵を倒したお金でパソコンのパーツを買い、チューンナップしていく」という、このゲーム のパロディを描いていたが、まさに、自作パソコンをチューンナップしていく快感に通じるものが あるといえるだろう。

●ゲームバランス

このゲームは、システムが自由なのだが、こういうタイプのゲームにはつきもののバランスが悪い 部分もある。でも、このゲームはそのバランスの悪さが許せてしまう。

たとえば、戦車戦と白兵戦で戦力が違いすぎるとか、戦車に乗っていると、そこそこ改造した戦車なら ほぼ無敵、とか、そういうバランスの悪さというのは感じたけど、前述の通り、「戦車を改造して 敵を討つ快感」っていうのを追求するゲームだから、割と許せてしまうのであります。
それに全滅してもまったく所持金が減らないどころか、死者復活もただで出来てしまうとか、 とにかく「攻め、攻め、攻め」のゲームであり、死んでしまったりしても、そのペナルティが殆ど 無いというのがすごいわけである。

そういう風に、「敵にやられる」とかそういう細かいことを考えずにやるのが男だ、というのを 感じてしまいました(笑)。

そういうわけで、このゲーム、殆どどこもバトルでいらいらしたことってありませんでした。 でも、1箇所だけ例外があります。四天王の最後の一人、僕は倒すまでに2週間かかった 「テッドブロイラー」です。
前述の通り、白兵戦でないといけない部分もあるのだが、「テッドブロイラー」はその割には 強すぎて、ゲーム発売直後から、「倒せない」という話を何人もしていたのを覚えている。  そういえば、あっちこっちの雑誌の攻略記事で、取り上げられていたよね、これ。
(一応、倒せなかった人のために書いておくけど、LOVEマシンで熱バリア(L−3、O−3、  V−2、E−2)を作り、これを何ターンか使うようにし、攻撃は「のうしゅくメチル(何度使  っても無くならない、攻撃用のアイテム)」とかを使ったりするのが一番いいとのこと。 )
ここでやめた人って、多いと思うんだよね....。

とにかくそういう訳なので、RPGの、「育てる快感を味わいたい」という人にはおすすめだし、 「でも、敵にすぐやられるようなゲームとかっていやだ」という人には、なおさらお勧めなのは 事実です。やはり僕に非常にむいているゲームだというわけです。逆に、 「敵との駆け引き、いつやられるかも分からない緊張感が好き」と言う人にはお勧めできないかも。

●世界観、ストーリー

ゲームシステムが相当ウハウハなのに対して、世界観は本当にシビアです。
設定としては「天災によって崩壊した後の世界」ということだけあって、 本当に荒れた世界でのサバイバル、って感じがしていいです。あっちこっちに、高度な建物の廃虚が あります。
奇形の魚を安売りしているマーケットとか、硫酸の雨が降り注ぐ「メルトタウン」という名前の 街とか、そういう「科学の犯した罪」みたいなものを考えさせるエピソードあり、 刑務所になっており、高い塀に囲まれている街(デスクルス)あり。

このデスクルスなんですが、多分1番印象に残った街です。
イベントで主人公達が閉じ込められるわけなんですが、実際にドラム缶押しをさせられます。
あと、この街に住んでいる子供の台詞が非常に印象的でした。 「ねえ、知ってる?この塀の向こうには何も無いんだよ。この塀の中だけが人間の住めるところなんだよ。」

そんな世界で、このゲームのストーリーの主な目的は、自分の姉?を殺されたことへの「復讐」。
オープニングで、まだヒヨッコの主人公自身の見ている前で主人公をかばって死んでいきます。 死体になります。お墓に埋められます。むごいです(※1)

●その他

このゲームが売れてから、リターンズとかも出ました(FCで出た1作目のSFCへのリメイク)。 これもはまりました。
しかし、続編の話は聞きません。良いゲームなので続編希望。 でも、N64で出してくれないとやらないと思うからなぁ・・・・出るとしたらきっとプレステで 出るんだろうなぁ、と思うと気が重くなります。 でもこのゲームの特徴として、「グラフィックよりシステムで売っている」というところと、 「戦車の改造など、大容量を使うほど可能性のあるシステムになっている」というところから、 64DDで出すのが一番いいと思う。やはりこの続編は64DDで出して欲しいです。

●総合評価

いや、このゲーム、面白いです。最初のうちは、戦車のシステムとかが分かりづらくてすこし 戸惑うかもしれません。でも、2、3個もイベントをこなしているうちに分かります。面白いです。 特に、「育てる快感」一辺倒に浸れます。主人公の経験値を上げる以外に戦車といい、 インテリアといい、金食い虫といい、その他、いろいろやりこめます。


(注釈:
※1:死体がリアル:
実を言うとそれほどリアルじゃありません。人間型クッキーみたいな感じです。でも、完成前の バージョンが昔ファミコン通信(現:ファミ通)で、「緊急速報」で載っていましたが、これには しっかり真っ黒焦げの死体が画面写真に入っていました。これはリアルすぎます。 やはり任天堂から指摘があったんでしょうけど。 余談ですが、とあるアマチュアゲーム「梓999」で、「保育園に放火されて、一人だけ逃げられた主人公、 みんなの黒焦げの死体が転がっているのを見る」というシーンがあって、非常にショックを受けました。

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