看板ふたたび

[おことわり]この話は、ゲーム「Moon Whistle」の設定を利用していますが、ゲームとの関連は一切ありません。


ヒャクエン キンイッツー 「このまえは ちからづくで 押されてしまったが、
               結局 ものを大事にしろ ってことが
               あいつらには つたわっとらん!
               必ずギャフンと言わせてやる!」

誰かの声 「ぎゃふん。」

ヒャクエン キンイッツー 「!? 誰だ!?
               俺の大切な ひと時をジャマするのは!」

マックス 「にゃ〜ぁお。」

ヒャクエン キンイッツー 「なんだネコか。
               ・・・って ネコが メガネかけて 2足歩行するかー!!」

マックス 「おいらマックスだにゃ。
      ツルタせんせいに たのまれて 電池を買いに行くんだにゃ。
      電池はどこに行けば買えるのかにゃ?」

ヒャクエン キンイッツー 「電池なら 商店街の雑貨屋が・・・って
               お前はマックス!Xレンジャーに受けた屈辱(くつじょく)、
               倍にしてかえしてやる!」

ヒャクエン キンイッツーの、全品100円なのに なぜかついてる値札 攻撃!
しかしマックスは ひらりと身をかわした。

マックス 「まあまあ。見たところ にゃんかの看板のバケモノみたいだにゃ。
      おまえは どうして イノチをさずかったのか わかっているのかにゃ?」

ヒャクエン キンイッツー 「復讐(ふくしゅう)のために決まっているだろう!
               おれは ものを粗末にするヤツがゆるせない!
               おまえは電池を買うと言ったな!
               何に使うんだ!どうせつまらんものにつかうんだろう。
               充電式があるにもかかわらず、
               「安いから」と使い捨てを買い、
               使い捨て電池だって服でこすればまだまだ(くどくど)・・・」

マックス 「( はあ。どうもバケモノ連中は ひがみパワーが増幅されてるにゃあ。
      でも動機はわるくないから、にゃんとか 良い方に導けるかにゃ・・・)
      ちょっと こっちに来てほしいにゃ。」

ヒャクエン キンイッツー 「なんだ。話の途中だぞ。」

マックス 「これを見るにゃ。」

ヒャクエン キンイッツー 「 『見るにゃ』って、見ろって意味か?見るなっていうことか?
               って これは俺の体(看板)の 破片(はへん)ーー!?
               てめえ なにしやが」

マックス 「だいぶ ボロが出てきてるにゃ。おまえは元々アーケード内の看板だったから
      まともな 塗装がされてないにゃ。」

ヒャクエン キンイッツー 「何をいうか!俺のご主人は トイレの紙も」

マックス 「まあ 直してやるからこっちにくるにゃ。」

ヒャクエン キンイッツー 「だから 『くるにゃ』って 『来い』なのか『来るな』なのか まぎらわ」

マックスは トルネード!をとなえた!
ヒャクエン キンイッツーは きぜつしてしまった。

マックス 「さて。」

数時間後。

ヒャクエン キンイッツー 「・・・う・・・うう・・・ハッ!
               こ、ここは? おのれマックス!は・・いない、か。」

おじいさん 「ん?・・・あ、あれは!」

走って看板に近づいていく。

おじいさん 「やはり! この看板は忘れもしない。
       でも どうして、ここに・・・。ん?」

ヒャクエン キンイッツー 「いたたた。まったく、うわ、ここもうボロボ」

おじいさん 「うひゃあ!」

ヒャクエン キンイッツー 「ん? マックスか!・・・って・・・あ・・・あんたは・・・」

おじいさん 「お、おまえ、しゃべれるのか・・・?私を覚えてい」

ヒャクエン キンイッツー 「・・・おやっさーん!お、おれは!、おれは!
               店をつぶしたやつらの・・・に・・・(男泣き)」

おじいさん 「・・・そうか。・・・すまなかった。もうつらい思いは させんよ。」

ヒャクエン キンイッツー 「うう。まだ、復讐が」

おじいさん 「いいんだ。もう新しい 生きる意味が できたじゃないか。
       私の為に生きていて くれないか。」

ヒャクエン キンイッツー 「(号泣)おやっさぁーん!」


木陰で見ていた マックス 「ふふ。そう、つくられたモノは 持ち主がいなければ
                 生きる意味が にゃい。
                 それを おまえは広めていくんだにゃ。」

ツルタせんせい 「あ!マックスちゃん!もう、遅いから探してたのよ!
           時計の電池、ちゃんと買えた?」

マックス 「未来の時計は 愛で 動くのにゃ。」

ツルタせんせい 「??」

こうして今日も めでたし めでたし。

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川辺の隠れ家にて。

Xレンジャー 「ああ、そういえば マフラーが ちぎれちゃったんだよなあ。
        新しいのを買いに行くか。」

誰かの声 「ものをたいせつに・・・」

Xレンジャー 「!? なんだ!ぜのんくんたちか?
        ・・・そら耳か。そういえば この ちぎれたマフラーのおかげで
        先生たちの信用を得られたんだよなぁ。
        名誉(めいよ)の勲章(くんしょう)ってのも わるくないか。」

---その後、大切オバケ というのが もったいないオバケに かわって
   こどもたちの間で 少しだけ 流行ったらしい。