雑RPG〜王道一直線〜

ジャンル:RPG
プラットフォーム:Win95/98 (RPGツクール95作品)
作者:ブラザーあけちさん
種別:フリーソフトウェア
ダウンロード先:The きままhp64内の「アケチーム」の説明コーナー

ゲームの内容: 「勇者の友達の友達」は、ある日王様に呼ばれる。どうやら王様は勇者の経験値の計算が 大変になったため、ノストラダモスから電卓を借りてきて欲しいようだ。 「勇者の友達の友達」は、勇者からかかってくる「また平和を取り戻しちゃった」といった 内容の携帯電話を聞きながら、バナナを食べつつ電卓を捜しに出かける。
脈絡無く塔や洞窟をクリアしたり、脈絡無く勇者とともに魔王と戦ったり、と 脈絡など一切存在しないパンキッシュなRPG。


シュールで壊滅的なシナリオ

まず最初にはっきり断言しておきたいのですが、このゲーム、 RPGとして全く成立していません。 これは、コンテストパークに落選し、コメントにも「シナリオが存在せずゲームとして 成立していない」と書かれていたことを持ちだすまでもないくらい自明です。

しかし、です。僕はこの壊滅的なやる気の無さに、 アマチュアならではのセンスを強烈に感じ取りました。
シュールすぎなのです。
現実世界にシナリオや脈絡がないように、このゲームも脈絡なくダンジョンに入って 敵を倒す、魔王とも「いきあたりばったりで出会って倒す」という理不尽な展開。 最初に目的として与えられた「電卓」も、頼まれた通りにしていても見つからず、 全然別の場所から見つかると言う不条理さ。
僕はここに、無気力に立ち向かうポストモダン的なシュールを感じ取りました。

プレー開始後5秒から溢れ出す絶対的な不条理

このゲームは、わざわざレビューを読むまでもなく、起動すれば、5分プレーした だけでも、十分理解できると思います。いや、それどころか5秒でわかります。 そう、オープニングから、「まずは主題歌を15秒ほどお聴き下さい」と、ギターの曲を聴かされる ところからして、頭がどうにかなりそうです。

なんとか落ち着いてゲームを開始し、システムメニューを開くと、また脱力。 「アイテム」の代わりに「バナナ」。 そう、手に入る全てのアイテムが全てバナナなのです。敵が落としていくのもバナナ。 能力アップもバナナ。薬草的バナナ。そんなバナナ。ということは電卓もバナナ。

フィールドに出ると、スケルトンが寝そべって動いていますが、このような不条理な状態なのに 何の説明もありません。極めつけは敵とエンカウントすると、 「仕事仕事、俺達邪魔しなくちゃやってられないし」 という無気力丸出しの台詞。 魔法などなく、「MP減らす」。しかもそれを選んでも「MPって何?」と聞き返される 始末。相手に出来ないと思っても、「逃げる」コマンドの代わりに「負け犬になる」コマンド。 負け犬はいやじゃ〜!というわけで仕方なく敵を倒すと、「お先に失礼します〜 (倒されたときの敵の台詞)」・・・などなど。 もう、このパンクにめろめろ。現代の無気力を感じさせてくれます

「手作り感」にあふれすぎの素材達

さて、このようにテキストまわりや演出も凄まじいのですが、グラフィックや音楽などは さらにパンクです。というか、作者の方にやる気がないからこそ こんなやる気の無いゲームが出来るんだなあ、と思うくらい素材も凄まじいのです。

敵キャラのグラフィック、強烈です。「紙に描き殴った物をスキャナで取り込んだだけで 何の加工もしていない」ものばかり。なんかブルーハーツのCDのブックレット状態です。そうかと思うと、 「最強無敵アケチロボ」のように丁寧に3Dソフトでモデリングして作ったような敵がいたり、 作者のお父様の写真を撮り込んで「GOD」とかしたり。

BGMに至ってはもはや口に出すのもはばかられます。「ノイズコアパンクなBGM」とでも言うべきでしょうか。ギター音を録音したり、ハミングした 鼻歌を取り込んだり。まさにノイズです。・・・っていうか、コンテストパーク応募時の バージョンでは、フィールドの音楽が、あの有名RPG1のフィールドの曲をハミングしているという、とんでもない挑戦。

もはや、この凄さを確認するためだけにでもにDLする価値があると思います。

もはや何もいうまい!

このゲームの作者の方へ。僕はこのゲームはデジファミの基準で評価するのはほぼ不可能です。 まかり間違えていればプラチナ賞になっていたと思います。というか、もはやこのゲームは現在のゲームの基準にあてはめるのはほぼ不可能 だし、ゲームではないので、バカゲーともクソゲーともいえないでしょう(死亡)。
これからも気にせずに我が道を進んでください!

っていうか、皆さん、まずは黙ってプレーしなさい。


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