Moon Whistle 今更書く、どうでもいい話 開発裏話というほどスリリングでもなく、 開発苦労話というほど皆さんの開発の役にも立たない、 本当にどうでもいい話。読んだら後悔する事請け合い。 暇つぶしにどうぞ。 - ムンホイには乗り物が登場しないが、 「幼稚園児だし、三輪車を入れようか」などという アイディアもあった。当然3秒で没。 もし入れていたら前代未聞の「普通に歩くより遅い乗り物」の 誕生だった。ちっとも嬉しくない。 - ツクール95では、透明ウィンドウとそうでない ウィンドウが選べる。公開版のムンホイでは、透明ウィンドウに なっているが、完成直前まで、不透明ウィンドウにしていた。 テストプレーの友人からしきりに「透明にしようよ」と 言われていたが、妙なこだわりのもとに不透明を貫き通していた。 透明ウィンドウにしたきっかけは、ツクール95をVer1.10に アップデートしたこと。旧バージョンでは「異なるパスに 同名のファイルがあります」とエラーが出てゲームディスクが 作れなかったため、ディスクを郵送してもらったのだが (98年4月当時のデジファミでは、アップデートを ディスクで郵送する形式でサポートしていた)これを入れ、 問題は綺麗に解消したが、いざゲームのアーカイブを解凍して ゲームをすると何故か透明ウィンドウになってしまった。 まあ、バグなのだろうがいちいちバグフィックスしてもらう理由も ないということでそのままいくことにし、今に至る。 - 今回"Another Moon Whistle"で活躍することになった『つくも』。 彼は「結構好きなのに、後半影がどんどん薄くなっていく」という 声を聞きました。実は彼、最初の仕様書には「NPC」と書いて あります。7月までの登場の予定だったのでした。ゲームバランスを 考えて、終盤まで仲間になるようになったということです。 今回、主役にしたのは、僕の良心の呵責(笑)があったのかもしれません。 - 結構気づいている人もいると思うが、「大正神社」の「大正」とは、 「上下対称」の「対称」から来ている。ムンホイをプレーした人なら 分かると思うが、上下対称マップを描くために試行錯誤しており、 最初に描き上げたのが神社だったため、そういう名前にしたのだ。 - ツクール95のマップチップはA〜Dまである。 このうちDは地形編集用のため、普通はいじらないのだが、 足りなくなったため使ってしまった。このため、ムンホイでは データを読み込んでマップをいじると、一部周囲の地形が 変な事になってしまうため、そういう場所はShiftキーを押しながら 編集しなければならない。これは僕がマップチップ初心者だった ため、かなり無駄な使い方をしているのも一つの原因であり、 うまくやればかなり絞ることが出来たはず。 - ツェータの武器として「本」というのがあった。 FF3の学者のイメージだ。商店街で本屋の前の 幼稚園児が「うちの先生が絵本で頭をたたく」などと 言っているのはその名残りだ。 - アイテム欄にだけ存在する「てんしのわっか」。 実は、ラストダンジョンでぜのんが技を教えてもらうときに、 これを手に入れる予定だったが(プレーした人なら、どういう シチュエーションか分かるはず)、なんとなく没になった。 その他、ラスト関係では没になったエピソードが結構多い。 中途半端な自制心が働いて恥ずかしくなってやめたのだが、 あそこまでやったのだから、とことんやればよかったとも 思っている。 - ムンホイ開発中の評価。「よく分からない」 「操作しにくい」「スト2がやりたい」(意味不明) 今でこそムンホイの完成度を誉めてくれる人が多くて嬉しいですが まあ、これだけ言われれば「どうせこのままじゃ普通に作っても 誰もプレーしてくれないから、せめて完成度を上げて、 『本当に面白いと感じてくれる一握りの人』を一人でも 逃さないようにしよう」という気になるというものです。 - 「ときめきの森」は実在する。福岡県の山中に。 - "Moon Whistle"を初めて「ムンホイ」と略したのは、 多分D2Winの作者、中尾君である。彼はスタッフロールにも 出てくるように、開発にちょっとだけ加わっている。マップチップの 添削などをしてくれた。別に頼んでいないけど、やってくれた。 なかなか凄いと思う。 - 一部で人気のマックス。実はあのキャラは、とあるファンタジー 系のシナリオを作ろうとして挫折したときに作ったキャラだった。 時の神殿関係の設定が、そのファンタジー系のゲームの設定の 名残だ。結果的に僕はファンタジーとかそういう系統には 向かないことが分かった。今後シナリオを作るとしても、 剣と魔法の世界が舞台になる可能性は低いだろうな、僕は。 - 回復アイテム「おべんとう」実は一日に1個しか持てないとか、 食べないでいると「まあ、ぜのん、おべんとう食べてないじゃない」 とか言わせよう、などという、ドラクエ4のトルネコの章 みたいなアイディアもあったなあ。 - とくぎのネーミング。ツクール95では技の説明が出ないことも あって、「一度覚えたら忘れない名前」にすることに努めた。 しかしインパクトありすぎたかも。ちなみに名前は最後まで いじっていたので、一部修正前の名前になっている場所が あるんだよなあ…。 - 僕にツクールを勧めてくれたのは実は氷石君である。僕が プログラムでのRPG制作を断念した後、SFCのツクール2を 貸してくれたことがきっかけ。「ツクールじゃ、現代物RPG なんて作るのは難しいんじゃないの?」と聞いたら、「この サンプルゲームをやって見てくださいよ」と薦められてプレー。 それが伝説の「だんきちのバクチンだいさくせん」。 実はツクール2で作ろうと考えていた時期もあったが、 パッド入力が面倒に感じて断念。 やはり「クック・ドゥ・ドゥル・ドゥー」の中西氏(今は盗人講座で 有名だけど)は偉大だ。 - 氷石くんネタもう一つ。ムンホイを作るにあたって、 「MIDI作ってくれ」と相談した。その時彼の返答は 「俺今(FM TOWNSの)内蔵音源に凝ってるんですよ」でも ひとしきり説得してMIDIで曲を作ってもらうことにした。 結果、内蔵音源の曲をMIDIにアレンジしてもらった。 「いざ行かん」など、かなり多くの曲が、オリジナルは内蔵音源の 曲だった。ちなみにムンホイ入賞後、「フリー素材を作りたい けど、サスケ先輩の続編の曲も作らないといけないし」と 彼が言って来た時、「フリー素材を作ったほうがいいに決まってる」と 言ってフリー素材を作らせることにした。 今の活躍を見ると、仮にもあの時「俺のゲームの曲を独占的に 作ってくれ」などというつまらないことを言わなくて 本当に良かったと思っている。 - 武器について。バットやヨーヨーなど、考えつきそうな 武器が殆どマザーに使われているのを知ってガクゼンとしていた。 ムキになって、他のゲームでは絶対に出てきそうにない武器を 沢山考えていた。その結果がけん玉だったりする。ちなみに、 「新聞紙のカブト」。もはやRPGなのかRPGごっこなのか 分からない。 - 出てくる架空のメアドについて。Xレンジャーのメアドは、 Xranger@ataraxia.or.jp とある。今ならne.jpとするところだが、 これを作っていた当時はまだneという2LDがなかったのだ。 時代を感じますね。ちなみにこういうのは「何やってるか 分からないけど凄そう」という、昔のロボットアニメでテープを 解読している学者風の雰囲気を出したかったのだが、今では 誰でも電子メールを使うようになったため、別に違和感が ないのではないだろうか。このため当初の目論みは外れて しまったが、かえって親近感がわいて良かったかもしれない。 なんか微妙。 - 技術ネタでもう一つ。9月1日のイベントでハルトの部屋の パソコンを調べると、Xレンジャーが「こいつ小学生のくせに ISDN引いているなんて生意気」と言う。97年秋のこと。 当時の僕はISDN回線がうらやましかった。時代の流れは酷なもの。 - さらにもう一つ。「時事ネタは、時期が過ぎるとつまらないから 薦められない」と友人から言われていたにも関わらず、「この 事件は歴史に残る」とか「この趣味は数年後も流行ってる」とか 言いつつ、いろいろと入れていた。しかし、たまごっちは 廃れるの早かったな(苦笑)。 - ムンホイは時空をまたにかける物語だ。実はその下調べとして 講談社のブルーバックスで、ワームホールとかタイムパラドックス などについて扱った量子力学の本を読んだが、全く活かされ なかったなあ(苦笑)、シュレディンガーの猫(意味無し)。 - 今だから白状します。「とくぎ大辞典」に、つくもの特技 をひとつ入れるのを忘れてました(死亡)。 - 学校にノートPCを持っていき、制作をしていた。 留学生が「そのソフトは何ですか?」と聞いてきたので、 いろいろとツクールの機能について説明したところ、 「非常に面白いソフトですね」といってくれた。ツクール万歳。 しかし彼は技術系の人間。僕が「スイッチというフラグみたいなのが あって、トリガを設定してやるとイベントが発火して…」などと 話をしたので、理解できたのだと思う。